富野監督のインタビューによると、来春映画化になる新作のZガンダムでは、最後カミーユさんは精神崩壊しないらしい。明るく終わるらしい。ダメだよそんなの。精神崩壊して、おかしくならないと。
僕を知る人から見たら信じられないかもしれないが、僕はカミーユ・ビダンになりたかったのだ。
僕の仕事は機械の修理業だが、修理しては壊れ、修理しては壊れ続ける機械たち。いいかげん腹立たしい。そんな時ふと思う。この目の前の機械がラスボスだとしたら、僕はいかにして戦い、勝利するだろうか。目の前にいる機械の名前は『フ・O(フ・オ)』。強力な攻撃力と、絶大な機動力を誇る強敵だ。
きめん(以下K):
お前みたいな機械はクズだ! 市場に出荷されちゃいけない機械なんだ!!
フ・O(以下F):
賢いだけの技術者が何をほざくか。
双方の意見は、全くかみ合わない。ドロドロした戦いは続く。そんな中、きめんの中に倒れていった仲間たちの力が集まり始めた。
K:
貴様には分かるまい。この俺の体を通して出る技術力が!
F:
!! 退職者の声?
K:
まだ、抵抗すると言うのなら!
社用車・タウンエースに乗り込むきめん。車からは怪しいオーラが沸き立つ。
K:
ここから、いなくなれー!!
F:
フ・O、動け。フ・O、なぜ動かん!
ドゴオオォォーーンン!!!
フ・Oの腹部、と言うか自社の機械に突っ込む、きめんの操作する社用車。
F:
ヌオオォォーー!!
フ・Oの絶叫がこだました。しかし、フ・Oは最後の力を振り絞って動き出した。
F:
こ、このままでは、スクラップにはならん。貴様の精神を道ずれにしてやる!
K:
や、やったのか? なんだ、光が広がっていく…。
きめんはフ・Oを倒した。しかし、稼動を停止する寸前、フ・Oはきめんの精神を道ずれにしたのだ。意識を失うきめん。そこに会社の同僚が駆けつけた。
M:
きめん、生きてるか? しっかりしろ、きめん。
K:
う…あ…。
M:
よかった、生きてるんだな?
K:
あれ、なんだろう? 彗星かな? バーっと光って、すぐに消えていっちゃった。
M:
き、きめん?
精神崩壊したきめんは、ハロゲンランプの点滅を彗星と勘違いするほどに衰弱してしまっていた。
M:
ぶ、部長! 大変です。きめんが、きめん所長が…。
きめんをつれて現場を去る同僚。その帰り道、ボロボロになったカルディナバンが止まっていた。
M:
カルディナ、お前も事務所に帰りたいんだな。
そんな退職ブック。
きめんは刻の涙を見る。
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