月を背にした姫君は微笑む
プレステ初期の名作「リッジレーサー」で、確かこんな裏技(orウル技or禁断の秘技)があった。『ゲームが立ち上がった後、音楽CDを入れると、そのCDの曲でレースが出来る』と言うもの。
最近ではゲームの大容量化に伴い、読み込みも増えたために読み込み1回でロードが終わると言うことは無く、加えて、もしかするとJASRACに引っかかってしまったかもしれないこの裏技。最近この手の話は聞いていない。
そういえばPCエンジン版「イースI・II」は、ゲームでは無くCDでかけると、劇中のセリフをバンバン喋っていた。脅威のクソゲー「プラネット・ジョーカー」でも、同様のシステムが(セガサターンなのに)採用されており、トラックをスキップさせると終盤に「私の名はジョーカー」と、不気味な声でラスボスが喋ってくれた。素敵なシステムである。
同人ノベルゲーム「月姫」のファンディスク「花月十夜(かげつとうや)」を、友人に(コピーしてもらって)借りていたのだが、最近ようやく終わりました。
同じ時間軸(同じ毎日)を何回も繰り返し進めていくことで、謎が徐々に明らかになり、ゲームの進行度合によってショートストーリーが増えていく、と言うゲームです。
最初遊んでいた頃は意味が良く分からなかったのですが、ゲームを進めていくことにより、最初の頃分からなかったことが明らかになっていくと言う、ファンディスクの割りに随分作りこまれたゲームです。
その日は特にすることもなく、随分お酒も進んで酔っ払っていまして。で、「なんかゲームしたいな~」と思ってポヤ~っと空を見上げると、月が大変綺麗な夜でして。それで「花月十夜」のショートストーリーでよく分からなかったのを、もう一度読み返してみようと思ったのです。パソコンを立ち上げてゲームスタート。
画面:「暗い夜道 静かな公園 白銀の月の光が静かに舞い降りる」
このゲームは基本的に「怪奇ノベル」なので、読んでて怖かったり、不気味だったり、気持ち悪かったりする表現が多々あります。やはりそんな雰囲気をさらに盛り上げるのは、バックに流れる曲です。少しゲームを進めたのち、僕はそのBGMに驚かされることになります。
画面:「チクチクト メニササル シンクノツキ コメンノヨウナ クロイセカイ」
BGM:♪ナンバ~ワンにならなくていい~ 元々特別なオンリ~ワン~
なんだ??
僕の疑問に聞く耳も持たず、ゲームは進む。
画面:「白色の月が その真円の姿を見せていた」
BGM:♪花屋の店先に並んだ~ いろんな花を見ていた~
どう聴いても月姫の世界とは無縁な「世界に一つだけの花」が聴こえます。しかも槙原バージョン。酔っ払った頭が徐々にクリアになります。
「あ、槙原のCD入れっぱなしだった」
BGMを奏でるべき部分で、勝手にプログラムがCD(-DA)を読み込み、CD-DRIVEに入りっぱなしだった槙原さんのアルバムを、気を利かせて鳴らしてくれたみたいです。なんだが面白くなってきたので、そのままゲームを進めることにしました。
画面:「挽き潰し、押し潰し、切り裂き、砕き、溶解し、完全に破壊した 人間だ。」
BGM:♪さっきとても素敵なものを~ 拾って僕は喜んでいた~
画面:「この女性は 人の死体にまだ気付いていないのだろうか?」
BGM:♪きっとまたこの先~ 探していれば~ もっと素敵なものが見つかるだろう~
…歌詞が微妙に画面にシンクロしているような気がする。
でも結局すぐ飽きて、その日は電源切ってとっとと寝た。
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