J2/ベガルタは擬態で勝ち進む
~閑話~
まんが「バキ」の中で、齢130を超える『郭海皇』と、地上最強の生物『オーガ』が対決した際、止めを刺さんとしたオーガの拳は、郭海皇に当たる直前に止まった。郭海皇は、戦いの中で「老衰」していたのだ。
医師による死亡が確認されたのち、控え室に戻った郭海皇は突然生き返り、周囲の弟子達を唖然とさせる。実は死んだと見せかけたのは、『擬態』だったのです。厳しい自然界の中で生き残るため、小動物は自分よりも強い敵と対峙した際に、この『擬態』で死を演じ、窮地を脱すると言う。
そして(擬態から)生き返った後、「死に優る護身なし」と郭海皇は言いました。かっこよく闘っても、負けては、死んでは意味が無い。その一時を耐え、生き延びることにより、次に繋がる。郭海皇は、そう言いたかったのでしょう。
「武の勝利じゃ」 by郭海皇
~閑話休題~
1引き分け2敗と調子の上がらない、我らがベガルタ仙台。今週末は札幌ドームにて、「コンサドーレ札幌」さんと対戦しました。今年から東北楽天が居を構える仙台は、札幌さん同様、
「サッカーの後にプロ野球が来た」
全国でも珍しい都市。また僕が以前住んでいたこともあり、チョット仲間意識を感じるチームです。
しかし、この札幌と言う土地は、仙台にとってはかなりの鬼門。
昨年札幌さんは、44試合で5勝しか上げていませんが、そのうちの2勝は仙台からのもの。しかも昨年4回対戦し、ベガルタの2引き分け2敗。AWAY札幌ドームでは無得点と、とにかく苦手にしているチームです。今年の札幌さんは、ここまで3試合で1勝1分け1敗と、仙台よりも上位にいます。
昨年最下位とは言え、油断は禁物です。
さて、試合。
「紅白戦でレギュラーが控えに負けた」と言う衝撃の情報通り、仙台は前半戦、札幌の猛攻に防戦一方。ラジオで聞いていましたが実況アナウンサーも、
「右から左への札幌の攻撃、と言う実況しかしていない気がします」
との一言。悲しいなぁ。仙台でやってるラジオ放送なのに、悲しいなぁ。
その言葉通り、札幌の猛攻に対して、仙台は前半シュート0本、コーナーキック0本と、防戦一方。って言うか攻めてません。攻められません。前半0-0で折り返せたのが、奇跡のようです。
しかしこの後我々は、信じられない出来事を目撃(聴撃)することになります。
後半6分、ペナルティエリア内に攻め込んだ仙台の選手が倒され、PK獲得。
この試合の初シュートがPKと言う、異常事態が発生しました。
このPKを、財前選手が冷静に決め、1点先制。信じられない事体が発生です。「あと40分逃げ切れ」「シュート1本で勝ったらJ新記録か?」など、様々な考えが頭をよぎります。
しかも、このPK獲得の際に、札幌の選手がレッドカードで1発退場。仙台に流れがやってきました。11対10なら、仙台は札幌と互角以上に闘えます。
後半23分にセットプレーから、39分にも期待の若手関口選手が持ち込んでシュートを決め、前半シュート0本だった仙台は、なんと後半シュート11本の猛攻で、3-0で今季初勝利を飾りましたぁ。パチパチパチ。
どうやら。
これまでの苦労が、実を結んだようですね。
全ては、昨年勝てなかった札幌に勝つため。紅白戦で控えに負け、今シーズン勝利も無く、僕も会社の同僚に「よえーんだよ!勝てるわけねーんだよ!」と絶叫。札幌戦前、全国のサッカーファンに「仙台は今年もダメか」と、思わせることに「成功」しました。
そう! 全ては『擬態』だったのです!
全ては、今シーズンを勝ち抜き、「J1昇格」と言う結果を残すため。ここまで耐え忍び、屈辱に耐えたのは全て『擬態』だったのです! そのために、ここまで弱く演じて見せることで相手の油断を誘い、PK獲得から一気に猛攻に出たのです。
まさに、「負けに優る護身なし」です。
試合後、仙台DFの根引選手は言いました。
「ウチがやろうとするサッカーをやれた。」
選手もそう言ってますから、今回の勝利は狙いどおりなのです。ただ、いくら狙いどおりでも1勝するのに4試合かかるペースは、これくらいにしておかないとダメです。気を引き締めて。
さて、マジックです。
優勝へのマジックは、勝ち点3で「M82」
残留への裏マジックは、「M39」のまま
です。
今シーズン4試合目にして、初めて「裏マジック貯金」にお金が増えない日となりました。その分のお金は、当然ビールに。
「仙台の勝利じゃ」
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