ツンデレカーシスターリピュア
「今度、妹を紹介するわね」
ある日、突然相方にそう言われて驚いた。
これまでの4年の付き合いの中で、兄弟が、ましてや妹がいるなどと言うことは、おくびにも出したことが無かったからだ。何となく疑いの眼差しを向ける僕に、相方はムッとしながら言った。
「な、何よその目は? まるで『後付けの設定?』みたいな目をして。 違うわよ、ちゃんと妹はいるの。ただ、紹介する機会が無かっただけなの。分かった?」
いや、僕はまだ何も言ってないんですけど…。ただ、
「後付けっぽいなぁ」
と、ちょこっと思っただけでね。
で、妹さんとお会いする当日。
心構えが必要と考えた僕は、いろいろと相方に話を聞いて見た。
「妹さんって、どういう感じの人なの?」
「可愛らしい子よ。華奢って言うか、やせてるって言うか。男の人だったら、守ってあげたいタイプじゃないかしら?」
「お前とは正反対だな」
ゴッ!
強烈なロシアンフックが炸裂。地に伏せるきめん。
そうこうしているうちに、妹さんがやってきた。
「はじめましてぇ。妹ですぅ」
相方に比べて、随分おっとりとした感じの妹さんだ。
最初に聞いていたとおり華奢で、見た目もそうだが、顔もちっちゃくて可愛らしい。
「きめんさんですねぇ。姉がいつもおせわになってますぅ」
「あ、はぁ。どうも初めまして」
なんだかおっとりしたペースにつられてしまう。
場はすっかり、ほんわかムードだ。
妹さんはさすがに相方に似ている。赤みがさした頬とか、ちっちゃいながらも丸みを帯びた体とか、
「やっぱり姉妹」
と思わずにはいられなかった。
妹さんは、
まあ、こんな感じの方なんですが。
本当、相方さんとそっくりな色なんですよ。
「いくら、うちの妹が可愛いからって、手ぇ出しちゃダメよ?」
「いや、はい。もちろんです」
「私の目を盗んで妹と出かけるくらいなら大目に見るけど、あんまり遠出させちゃダメよ。私と違って、体力無いから」
「おまえは体力ありすぎ。あれは「長距離」って言うよりも「超距離」じゃないかよ」
ゴッ!
強烈な左ハイキックを側頭部に受け、崩れ落ちるきめん。
だがその顔は、喜びに満ちたものだったと噂されている。
プンスカと立ち去る相方さん。
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コメント
^^
ネタバレしてるのに
最後まで読ませる筆力はさすが!
投稿: さとうしゅういち | 2006年3月21日 (火) 21:46
しゅういちさん
> 最後まで読ませる筆力はさすが!
いやあ、そんな筆力無いっすよ(笑
ただ、オチのためにあのバイクを選んだわけではありませんので、あしからず(笑
投稿: きめん | 2006年3月22日 (水) 18:53