前回からの続き。
場内の空気は、前回旗揚げ戦の効果か、開始前から出来上がってる状態。
こういう良い雰囲気の中で、好試合を期待したい。
今大会は、仙女メンバーがOzアカデミーを迎え撃つ、5対5の対抗戦形式で行われました。
第1試合
金成知佐子 vs カルロス天野
選手入場時のコールで、対戦カードが案内されると言う形式で進行。
金成(姉)は前回第3試合だったものの、今回は第1試合。対戦相手はカルロス天野。もちろん女性なんですが、すっごく、
「カッコイイ」
選手です。場内の女性からも、
「カッコイイよね」
と言う声が聞こえます。
知佐子は前回よりもスタミナが強化され、力強くなった印象。
カルロスのキックを受けても、向かっていきます。それでも両者の実力差は歴然。途中腕十時で惜しい場面もありましたが、カルロスがダイビングラリアットで勝利。
×金成知佐子(12分06秒、トップロープからのダイビングラリアート→体固め)○カルロス天野
実力差はあったものの、試合時間は10分を超えてもしっかり動けてましたので、今後も期待できます。
第2試合
金子友里恵 vs 尾崎魔弓
第2試合にOzアカデミーの総帥、尾崎が出てきたことでざわめく場内。
金子は前回、吉田万里子と対戦し、寝技に散々苦しめられたものの、自ら胴タックルで寝技の試合を挑んだ選手。今回も強心臓っぷりを見せてもらいたかったのですが…。
試合は完全に尾崎ワールド。金子は付け入る隙がありません。出来れば寝技に誘い込むシーンも見たかったのですが、そのチャンスも皆無。ネックブリーカードロップの3連発が意地の見せ所でしたが、見せ場もそこまで。
5分強であっさりと沈められました。
×金子友里恵(5分36秒、ローリングセントーン→片エビ固め)○尾崎魔弓
この試合後、尾崎選手がアピール。
「Ozは今4人しかいないから、里村の相手がいない。だから私がやっていいか?」
と言う内容。
思わぬ展開で、メインは里村vs尾崎のビッグマッチが決定。
第3試合
奥田朱理 vs 永島千佳世
奥田は前回最も試合の評判の良かった、小島選手&プロレス大好きっ子。
「バンキシャ」の仙女特集のときに、個人でもちょこっと取り上げられたので、知名度は里村に次ぐでしょうか? まあ、仙台市ベースの話ですが。
試合運びのうまい永島の、腰を中心とした攻めに苦戦が続く奥田。グラウンドが苦手な辺りも、小島選手へのリスペクトでしょうか? それでもロープへ必死で這って行く、その表情がいい!
ドロップキックの連発から、得意のジャンピングニーも3カウントは奪えず。
逆にジャーマンスープレックスをくらい、フォール負けしました。
×奥田朱理(10分44秒、ジャーマンスープレックスホールド)○永島千佳世
ジャーマンで負けたことに対して、
「凄いよ、ジャーマンを受けられるくらいになったんだよ!」
と言う論点で喜ぶ、僕と観戦者一味。
プロレスファン独特の感想です。みんなも言うよね?
第4試合
金成幸子 vs ダイナマイト関西
前回第1試合だった、金成(妹)が今回はセミファイナルにて試合。
対戦相手は、前回姉がボッコボコに蹴られて、失神レフェリーストップ負けを喫したダイナマイト関西です。
ここは成長の後を見せて、姉の仇とは言わないまでも、一矢報いるところを見せて欲しい。
しかし、この日も関西に攻撃は効かない。
姉同様、ドロップキックを連発で見舞い、関西が差し出した顔面めがけてキックを放つも、やはり山のような関西はダウンをしない。逆に激しすぎるキックで反撃。
観戦した席が前回よりもリング寄りだったので、かなりシュートな迫力の蹴りが身近に感じられました。
キックに対する防御は無く、ただひたすら身体で受けるのみ。UWFと対抗戦をしていた頃の藤波辰巳を思い出しましたが、いかんせん実力が違いすぎる。
相当数のキックに耐えに耐えましたが、力尽きました。
×金成幸子(5分53秒、右ハイキック→体固め)○ダイナマイト関西
第5試合
里村明衣子 vs 尾崎魔弓
急遽決まったメインの試合。
前回同様に仙女は全敗で、里村がリングに立つシチュエーションとなりました。
少し異なるのが、里村は8月に椎間板ヘルニアの手術から退院したばかり。
また、尾崎も新人相手の試合とは言え、この日2試合目です。
双方ともに団体の長と言う立場。そして不安の残るコンディションと、似た状況下での対戦となりましたが、試合は尾崎が有利に運びます。
手術したばかりの腰を中心に、あらゆる技で攻めに行く尾崎。
プロレスラーとしては当然の試合運びですが、場内からは悲鳴が漏れます。
そして得意の場外戦に誘う尾崎。イスで痛めている腰へと攻撃を加えます。
苦しい里村。
しかしリングに上がってからは、得意のキックと腕十字、三角締めなどで、反撃します。
尾崎はオザキックの連発、イス、チェーンなどなりふり構わない攻撃で、里村のスタミナを奪いに行きます。
そして試合は、里村のスコーピオ・ライジングを徹底的に防御した尾崎が、テキーラサンライズ → フロントキックの連発で里村から勝利を奪いました。
×里村明衣子(13分21秒、オザキック→片エビ固め)○尾崎魔弓
仙女、全敗!
「お前ら、全然成長してないんだよ。仙女も終わりだな」
尾崎のマイクが里村に向けられます。里村は一度帰った尾崎を呼び出し、
「これまでのプロレス人生で1番悔しい。次の11月の大会で、お前らを後悔させてやる」
とアピール。尾崎もこれを受諾しました。
仙女のファーストステージは、まずはOzアカデミーとの対抗戦から展開していくのでしょう。
毎回違う選手が来ても覚えられないし、ストーリー性がはっきりするので分かりやすくていいでしょう。
女子プロは、対抗戦やオールスター戦が乱発して地盤沈下を起こしましたが、団体同士がしっかりとした流れの中で、吟味した試合を見せていけば、二の舞にはならないと信じています。
今回も熱く、楽しませていただいた仙女興行。
打ち上げの席での話題は、
「『終わりだな』と言った直後に、『頑張れよ』と言った尾崎は、『仙女ツンデレ』だ」
と言うことでした。
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