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2012年1月16日 (月)

ラノベ/MHP3rd/新Ki-Men的狩猟生活 第1-2話 固っ!森の熊さんの腕甲360z

前回 1-1話
http://kmnparty.way-nifty.com/manga/2012/01/mhp3rdki-men1-1.html

その2人のハンターの流れるような連携を、ヲズマスはただ呆然と見ていることしか出来なかった。
ライトボーガン使いがアオアシラの動きを止めた直後、双剣使いの乱舞が炸裂する。
一瞬の間もおかない完璧な連携。
腕甲が破壊されるとほぼ同時に、アオアシラはその巨体をゆっくりと沈めていった。

 「こんな村の近くに現れるとは、この辺りも物騒になったな」
 「まったくだ。ところでそこのあなた、怪我は無いですか?」
 「お、俺ですか? えぇ、大丈夫です」

声をかけられ、ようやくヲズマスは我に返った。
突然の出来事にいまひとつ状況が飲み込めないまま、なんとか平静を保つように努力する。

 「食料の調達ですか?」
 「この辺りも最近はモンスターが出るようになって危ない。民間人は今のうちに村に戻ったほうがいいですよ」
 「俺は民間人じゃないです。今日からこの村の配属になったハンターです」
 「ハンター?」
 「そうなのか? すまなかった」

明らかに自分がハンターに見られていないことに苛立ちつつも、アオアシラに苦戦したのも事実だ。
ヲズマスは目の前の2人に、自分がこれからハンターとしてこの村をすくう使命を持って派遣されたことを伝えた。

 「俺は偉大なる”ハンターの父”から、立派なハンターとなり、この村を救うことを命じられてきたんです」
 「ハンターの…父?」
 「はい。そして村のみんなを守って、俺もいつか立派な”ハンター兄弟”の仲間入りしたいと思ってるんです」
 「ハンター兄弟?」
 「すいませんがあなた、ハンターの父とかハンター兄弟って誰のことです?」
 「えっ、知らないんですか? 世界中の村を守ってきた、ハンター兄弟ですよ?」
 「…知ってるか?」
 「いや、すまないがあたしも知らない」
 「そんな…」

ヲズマスは少なからず落胆していた。
ハンター兄弟は全てのハンターたちの憧れ。その兄弟入りを目指して自分も”ハンターの国”からはるばるユクモ村までやってきたと言うのに、この村ではあの偉大なる兄さんたちのことすら知られていないだなんて。
隣では、ハンター2人がこそこそと話しをしている。

 (あのぅ…どう思います?)
 (あれじゃないか? 今流行の妄想好きの”厨二病”とか言うやつ)

 「すいません、全部聞こえてるんですが」

ヲズマスが少し怒りを込めつつ2人に話しかける。

 「え? あ、ごめんなさい。この辺りではそういうハンターの話を聞いたことが無いものですから」
 「あなたがそれだけ力説するくらいだから、よっぽど凄いハンターなんでしょうね。会ってみたいなぁ」

2人は明らかに「やばいヤツに話しかけてしまった」みたいな語り口調だ。
だがここは、ハンター兄弟の偉大さをもう少し詳しく教えておかないといけない。

 「あのですね、ハンター兄弟というのは…」
 「すいませんが、その話には興味はあるんですがその前に」
 「後ろに気をつけたほうがいいですよ」
 「え?」

2人の声に振り向くと、アオアシラが振り上げた両腕をヲズマスに振り下ろす直前だった。

 「ガアァァァッ!」
 「くっ!」

強烈な打撃を盾で何とかガードする。
体制を崩しそうになるが、後ろに退きつつも何とか踏ん張り、立て直す。

 「ほぅ、反射神経はなかなかのものです」
 「まだ回復もしてないでしょう。手伝いますか?」
 「大丈夫です! 俺もハンターです。こいつは俺が倒します」

そう言い切り、ヲズマスは片手剣を構える。
先ほどは苦戦したが動きはすでに見ている。同じモンスターの同じ攻撃を喰らうわけには行かない。
力に任せた大振りの両腕の攻撃をすり抜け、背後から片手剣で切りつける。
攻撃に怒り、雄たけびを上げるアオアシラだったが、逆に隙だらけの身体を無防備にさらすことになった。
片手剣の連続攻撃。アオアシラはたまらずダウンする。

 「とどめだ!」

片手剣を頭上に構え、アオアシラに飛び込んでいく。
だがそこに、横から突然体当たりを喰らい、ヲズマスは吹き飛ばされてしまう。

 「なんだ?」

それは、水辺に生息するジャギィノスだった。
狗竜・ジャギィのメスが、ヲズマスに強烈な体当たりをぶちかましてきたのだ。
予期せぬ方向からの攻撃に、ヲズマスはたまらずふらついてしまう。そこにダウンから回復したアオアシラが襲い掛かる。

 「くそぅ!」

まだ朦朧とするヲズマスにアオアシラが飛び掛らんとする刹那、アオアシラの鼻先が突然爆発する。

 「ギャォォォン!」

たまらず怯むアオアシラ。
見れば先ほどのライトボーガン使いが、銃口から煙を燻らせていた。
徹甲榴弾Lv1。
当たれば一定時間経過後に爆発し、モンスターをひるませる効果のある優れものの銃弾だ。
そして反対側では、双剣使いが一瞬でジャギィノスを切り刻んでいた。

 「せっかくの勝負、ジャマはさせない」
 「決着はあなたが」

2人のハンターがヲズマスを励ます。
力強いその言葉に勇気をもらうも、すでに残りの体力は少なかった。
アオアシラもかなり体力を消耗しているが、両者の攻撃力の差は歴然としていた。このままでは、一撃でも喰らえばヲズマスは村までアイルー台車に乗せられ、運ばれることになるだろう。
ここはいったん回復をしたいところだが、

 「ない!」

初めての狩りに慌てていたのか、ヲズマスは回復薬を忘れていた。
あれほど出発前に何度も持ち物をチェックしたのに、まさか回復薬を忘れているなんて!
あの豪腕を掻い潜り、1度も攻撃を喰らわないまま倒すのは至難の技だ。
ないのか? なにかいい方法は無いのか?

 「!」

そのときヲズマスは閃いた。
出発前、ハンターの父に言われていたハンターの心得。「調合」を。
ヲズマスは渓流を散策していたときに摘んでおいた、アオキノコと薬草を取り出し調合を開始する。
調合の最中アオアシラに襲われるも、何とか切り抜ける。
そして出来上がる「回復薬」。
それを腰に手を当て一瞬で飲み干す。ヲズマスの目つきが変わる。

 「この勝負、もらったぁ!」

ヲズマスが抜刀一閃、アオアシラに飛び掛っていった。

 「すごいですね、アオアシラを倒すなんて」

村に戻ったヲズマスは、受付のお姉さん(下位)に労いの言葉をかけられていた。
初めての狩り。苦戦はしたものの何とか終えることが出来た。
狩りに成功したのも、あの2人のハンターのおかげだ。

 「俺1人の力じゃないよ。今回の狩りが成功したのは、一緒に戦ってくれた2人のハンターのおかげさ」
 「他の2人…ですか? でも今回は1人で受注されてたみたいですよ?」
 「えっ?」

驚いて受注履歴を見ても、確かに1人で狩りを終えたことになっている。
では、あの2人はいったい…。

 「まあ、いいじゃないですか。終わったことですよ」
 「あ、あぁ。そうだな」
 「じゃあ、これからよろしくお願いしますね。”薬剤師”さん」
 「はい! …ってあれ? 俺はヲズマスという名前のハンターなんだけど」
 「もちろん知ってますよ。でも皆さん”薬剤師”って呼んでますよ」
 「薬剤師?」
 「はい。”青の薬剤師”って2つ名がついたんですって。良かったですね」

笑顔で答える受付のお姉さん(下位)に、それ以上追求することは出来なかった。
青の薬剤師?
いったい何がどうなっているんだ!?

こうして、ユクモ村でのヲズマスの長い狩猟生活が始まった。

OP
http://video.mixi.jp/view_video.pl?owner_id=132013&video_id=11363267

~次回予告~

再び狩りに出るヲズマス。その前に現れた謎のハンター「ウィッチ」
ヲズマスは果たして新たに現れたモンスターを狩ることが出来るのか?
そして2つ名の意味とは?

2-1話
http://kmnparty.way-nifty.com/manga/2012/01/mhp3rdki-men2-1.html

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