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2013年8月27日 (火)

アニメ/キャラソンについて雑考

 「キャラソン」っていつくらいから始まったんだろうねぇ。

そんな一言から始まった、アニサマからの帰りの車内トークは、可能な限りの知識を導入して、わりと偏った話となった。

この場合、
 キャラクター名義で歌うものを「キャラクターソング」
 中の人名義または歌手名義で歌うものを「イメージソング」
と規定します。

ゲームであればこれは比較的話が早い。
まちがいなく「ときめきメモリアル」からと断言できる。

キャラクター登場時にキャラごとにBGMが変わるシステムを構築し、そのBGMに(無理やり)歌詞をつけてキャラソンとして発信した。
とは言ってもこの時代はキャラごとのCDではなく、「ドラマCD」の中の1曲として発売されていた。
とりあえず、
 「藤崎詩織アイドルデビュー」
は置いておく。

この流れを受けたかは知らないが、「サクラ大戦」は登場集団が「歌劇団」なので、ゲーム中で歌いまくり。
キャラクターごとの曲以外に、キャラ同士のデュエットも実現。さらに広がりを見せたが、こちらも「アルバム」の形式なのでキャラソン単品ではなかった。

これがアニメになるといささか複雑。

イメージソングならキン肉マンの各超人ごとにもあるし、極端な話、初代ガンダムの名作「光る宇宙」のエルメスとの戦闘シーンで流れた「シャアが来る」も迷作イメージソング。
中の人が歌うイメージソングなら、うる星やつらのラムちゃん役の平野文さんも歌われていた。

るーみっくでいうと、めぞん一刻の管理人さんが「音無響子」名義で歌い始めたのが最初かと。
管理人さんがヘッドセットつけて、スタジオで録音してる風なジャケットが印象的。

00yokan

歌のほうは、まあ…。

んで、らんま1/2ではキャラクターごとの歌が登場。
「乱馬ダ☆RANMA」とかは、タイトルに時事ネタ使うとアレだよねと言う感じ。

時代的にCDが一般的になってきたのと、らんまはKAC(キティアニメーションサークル)で全国ツアーのイベントやってて、声優さんのトーク以外に歌のコーナーとかもあったから、披露しやすかったんだろうなと。
あとは、ホイホイついてくる客からお金を巻き上げるには都合の良いやり方…ウェッホッエッホッ。

そんなことを話しながら仙台まで戻ってきましたが、一息ついてからwikiで調べたら、意外と当たっていたので驚き。

キャラクターソング
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%B0

近年だと「けいおん!」や「うたのプリンスさま」、「アイドルマスター」辺りが猛威を振るってますが、キャラごとにドカドカとシングルCDを発売する流れは、「ネギま」からだとか。

その後「ハルヒ」や「らき☆すた」のキャラソンがニコニコ動画からMADで火がつき、人気が出ていったのは最近まで続く流れか。

そんなわけで、ちょっとした雑談から少しためになったお話でした。
ため?

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2013年8月25日 (日)

アニメ/アニメロサマーライブ2013初日参戦履歴(長文)

09年以来4年ぶりのアニサマ参戦。
試しに金土で申し込んだら金曜だけ当たったので、友人と車で日帰りでさいたまスーパーアリーナへ。
東北道で1本だから近いし楽だよねぇ。曇りで陽がさしてないから蒸し暑い程度で助かった。

初日シークレットゲストはNOB! 串田アキラや中川翔子なども初参戦“アニメロサマーライブ2013 -FLAG NINE-”初日速報
http://www.famitsu.com/news/201308/23038876.html

ステージの向かって右角だから、4列目とはいえ演出の映像がなんも見えないのはひどいよ、運営。

01.Celestial Diva/茅原実里&宝野アリカ(スマートフォン向けアプリ『ケイオスリングスII』テーマソング)

・冒頭で「うぉーっ!」と盛り上がるも1曲目から知らない

02. ムーンライト伝説/ももいろクローバーZ(テレビアニメ『美少女戦士セーラームーン』OP)
03. サラバ、愛しき悲しみたちよ/ももいろクローバーZ(日本テレビ系ドラマ『悪夢ちゃん』主題歌)
04. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」/ももいろクローバーZ(テレビアニメ『モーレツ宇宙海賊』OP)

・こ、こいつが巷で噂のももクロか
・猛烈パイレーツは見てないけど歌は知ってた
・あとやっぱアイドル。ステージ上での見せ方や踊りがすげぇ

05. お願い!シンデレラ/アイドルマスターシンデレラガールズ(ソーシャルゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』テーマソング)
06. 輝く世界の魔法/アイドルマスターシンデレラガールズ(ソーシャルゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』テーマソング)

・シンデマスのレアカードが(電子データで)もらえるシリアル番号についてたCDの曲?
・わからんかった。4年前はあんなに応援してたのにねぇ

07. Recall/Ray(テレビアニメ『AMNESIA』ED)
08. 楽園PROJECT/Ray(テレビアニメ『To LOVEる-とらぶる-ダークネス』OP)

・とらぶるの曲だけはなんとなく分かったよ

09. DreamRiser/ChouCho(テレビアニメ『ガールズ&パンツァー』OP)

・ドイツ軍フォーメーションをバックにフラッグ持って登場するダンサー
・完全に会場をガルパンの世界に染めて一曲だけで終了
・氷菓とかイリヤとかも聴きたかった

10. telepath~光の塔~/三澤紗千香(劇場版『とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟-』劇中歌)
11. リンクス/三澤紗千香(テレビアニメ『とある魔術の超電磁砲S』ED)

・みっさっわっ! みっさっわっ!
・今年で20歳の個人的に今一押しの声優兼アーティスト
・どっちだよ
・とあるシリーズとアクセルワールド好きなのでかなりひいき目です

12. 激情論~MASANIANISAMA/ZAQ(テレビアニメ『ハイスクールD×D NEW 停止教室のヴァンパイア編』OP)
13. Sparkling Daydream/ZAQ(テレビアニメ『中二病でも恋がしたい』OP)

・3万人でやる♪夢ならたっくさん見た~「指くるくる」最高でした
・つか「ささみさん@」OPは無しかよぉ!

14. ENERGY/earthmind(テレビアニメ『ビビッドレッド・オペレーション』OP)

・ビビッドは3話くらいで切った気がする
・ガンダムUCの4話の曲も聞きたかったがこちらも1曲だけ

15. 空色デイズ/中川翔子(テレビアニメ『天元突破グレンラガン』OP)
16. ペガサス幻想 ver.Ω/中川翔子&NOB(テレビアニメ『聖闘士星矢Ω』主題歌)
17. 轟轟戦隊ボウケンジャー/NOB(特撮『轟轟戦隊ボウケンジャー』OP)

・「なんだしょこたんかぁ」とか思ったらサプライズゲストきたぁ!
・すごいわぁ、ライブでペガサス幻想を余裕で歌える音域すごいわぁ
・だがボウケンジャーは見ていない

18. 豪食マイウェイ!!~ガツガツ!!/串田アキラ(テレビアニメ『トリコ』OP~テレビアニメ『トリコ』OP)
19. 宇宙刑事ギャバン/串田アキラ(特撮『宇宙刑事ギャバン』OP)
20. キン肉マンGo Fight!/串田アキラ&ももいろクローバーZ(テレビアニメ『キン肉マン』OP)

・「やっぱトリコかぁ」と思ったらギャバンきたぁ!
・NOBさんでテンション振り切ったところにギャバンとかおっさん大歓喜
・とか思ったら中央ステージにいつの間にやらプロレスのリングが
・もしやキン肉マンも歌ってくれるのか?
・と思ったらステージ上に5つの超人の影が!
・まさかのももクロ再登場
・つかキミたちアイドルだろ。おでこに「肉」「米」「中」とか書くんじゃありません!
・完全に持っていかれました。ももクロちゃん初日のMVPです

21. DAYS/FLOW(テレビアニメ『交響詩編エウレカセブン』OP)
22. CHA-LA HEAD-CHA-LA/FLOW(劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』主題歌)
23. GO!!!/FLOW(テレビアニメ『NARUTO-ナルト-』OP)

・エウレカからの3曲の盛り上がりがものすごかった
・FLOWって平均年齢アラフォーなのよね。それで飛び跳ねるわ走り回るわ
・見てるだけのおっさんもヒザ痛いだのコシ痛いだの言ってられないねぇ
・今度カラオケ行くときは走りながら歌うか

24. 僕らは今のなかで/μ’s(テレビアニメ『ラブライブ!』OP)
25. START:DASH/μ’s(テレビアニメ『ラブライブ!』挿入歌)

・最近巷で噂の「ラブライブ」推参
・アニメは見てないので直前にスマホのゲームやってました
・曲は覚えられませんでした。でも振り付けはアニメの完コピなんだっけ?

26. 影踏み/nano.RIPE(劇場版『花咲くいろは HOME SWEET HOME』主題歌)
27. リアルワールド/nano.RIPE(テレビアニメ『人類は衰退しました』OP)

・「魔王さま」ED歌ってくれなかったぁ
・このパターンばかりだな。人類衰退は途中で見るの止めたんだよねぇ

28. ねぇ/藤田麻衣子(テレビアニメ『緋色の欠片』OP)
29. DAYS of DASH/鈴木このみ(テレビアニメ『さくら荘のペットな彼女』ED)
30. 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い/鈴木このみn’キバオブアキバ feat.ZAQ(テレビアニメ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』OP)

・この辺は知らないタイム。喪女アニメは見てないのよね

31. ぐろーりーぐろーいん☆DAYS/ミルキィホームズ(テレビアニメ『ふたりはミルキィホームズ』OP)
32. 正解はひとつ!じゃない!!/ミルキィホームズ(テレビアニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』OP)

・2期は黒歴史ということでいいのだろうか
・考えてみたら声優さんが劇中のコスプレで歌ったのってこれとラブライブくらいか?

33. 禁じられた遊び/ALI PROJECT(テレビアニメ『ローゼンメイデン』OP)
34. 聖少女領域/ALI PROJECT(テレビアニメ『ローゼンメイデン トロイメント』OP)
35. 私の薔薇を喰みなさい/ALI PROJECT(テレビアニメ『ローゼンメイデン』OP)

・アリカ様曰く「ローゼン祭り」ってことで僕歓喜
・ゴスロリを極めるとあんな感じになるんだなぁ

36. ViViD/May’n(テレビアニメ『ブラッドラッド』OP)
37. アオゾラ/May’n(テレビアニメ『BTOOOM!』ED)
38. 射手座☆午後九時Don’t be late/May’n(テレビアニメ『マクロスF』挿入歌)

・部長の歌唱力は相変わらず健在
・マクロス30周年で射手座聴けたのがラッキー

39. この世界は僕らを待っていた/茅原実里(テレビアニメ『翠星のガルガンティア』OP)
40. CRADLE OVER/茅原実里(PS3『ディスガイアD2』OP)
41. 境界の彼方/茅原実里(テレビアニメ『境界の彼方』OP)
42. TERMINATED/茅原実里(テレビアニメ『境界線上のホライゾン』OP)

・部長と茅原さんで「ダブルメインイベント」みたいな初日のラスト
・まあ僕は全部知らないんですけどね
・間違っても「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよね」とか歌わないしね

En. The Galaxy Express 999/アニサマ2013出演アーティスト(“アニメロサマーライブ2013 -FLAG NINE-”テーマソング)

んな感じでラスト。
5時間きっちり午後21時で終了したのは、ずいぶんタイムキーパーしっかりしてたなぁと関心。
でもどうせなら、テレビサイズで良いのでもうちょいいろいろ聴きたかったよね。

てな感じで、22時半には高速に乗って、友人送った後に2時半には帰宅しました。
2人とも仕事だったけど、気合で乗り切りましたよ。多分。

ちなみに、10月に仙台でアニソンイベントありますけどね。
ZAQさんと茅原さん、栗林さんは来るけども、Lantisしばりだともうメンバー決まりかなぁ。
もう一押しないかねぇ。

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2013年8月18日 (日)

日常/夏の思い出

 「特になし」

で終わらせても良いのですがとりあえず。

4日間のお盆休みも本日で終わり。
今年に関しては一周忌法要が18日にあった「ガチお盆」でしたので、あんまりのんびり休むという感じではなかったです。
それでも時間見つけて呑みに行ったり、ドライブしてたりしたので、十分遊んでた気もしますが。

そんな中、友人らと飲んだときに学生時代の
 「夏休みの思い出」
が皆無だねという話に。

キャラバン戦士であるならば、この日はどこにいて何点取ったとかあるかもしれない。
リア充なら、何年生のときに何とかさんと何処そこに出かけた、とかあるかもしれない。

さーっぱりない。

♪ 夏がく~れば 思い出す~

こととか、さーっぱりない。

そんなことを、高校の同級生4人が顔つき合わせて嘆いていたお盆。
とりあえず目標は、

 「1枚絵イベント」

ということになりました。
学生時代の経験をいくら話しても、
 「立ち絵が動く程度だね」
と却下されましたので。

とか言いながら明日からお仕事。
まあ、2日行ったらお休みですが。

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2013年8月11日 (日)

ベガルタ/【第20節】理想的

今年は開幕戦からチケットが売り切れにならず、集客に苦戦しているベガルタ仙台。
そんな中、連勝で迎えた夏休みのホーム鹿島戦。
元日本代表の小笠原や、現日本代表にして東アジア杯優勝メンバーの大迫を要し、やはり日本屈指の名門であり、強豪であり、タイトルホルダーであるチーム。

そんなチームを相手にして、ようやく今年初めてチケット完売したホーム戦。
ここで願うことは、大観衆を前にして仙台が勝利することであるが、加えて盛り上がりのある試合が希望だった。

鹿島に所属の小笠原選手は岩手県盛岡市の出身で、大船渡高校を卒業。
東日本大震災後は「東北人魂を持つJ選手の会」を発足、被災地でのサッカー教室や訪問など、積極的な活動をしてくれた。
この試合後も、チームで被災地を訪れてくれると聞いている。
そうなれば、鹿島側で招待した子供たちや、小笠原選手目当てのお客さんも多数いただろう。

その場合、やはり仙台の一方的な勝利では、僕らは満足だが、他のお客さんは盛り上がらないかもしれない。
ここはやはり、一進一退の攻防、スペクタクルな展開の上で仙台が勝つのがベスト。

そう思っては見たものの、勝負は水物。
そんなうまくいくわけがない。

そうこうしてるうちに、前半鹿島が先制。
やはり世の中、そんなにうまい話はない。

とか思っていたら後半、元鹿島の柳沢選手が同点ゴール。
 「これだけでもスポーツニュースはいつもよりも多く取り上げられるんじゃね?」

そんなことを思って見ていると、仙台ヘベルチの追加点で逆転。
 「交代した佐々木とヘベルチのゴールとか劇的!」

残り10分弱をハラハラドキドキしながら試合終了を待つ時間のなんと長いことか。
そしてタイムアップ。仙台鹿島に逆転勝ち。

まさに戦前描いていたような、理想的な試合。
もちろん無失点で勝つのがベストなのだろうけども、せっかくの夏休み。楽しんでもらいたいじゃないですか。

まあ、余計な気遣いなんですけども。

そんなわけで、ホームユアスタでは5月の大宮戦以来、個人的には4月のFC東京戦以来の勝利。
極上の試合と試合後の極上のお酒。
堪能いたしました。

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2013年8月 7日 (水)

ラノベ/MHP3rd/新Ki-Men的狩猟生活 第5-2話 それは昔子供の頃に近所の空き地で遊んだフワフワモコモコした綿毛の感覚。布団に入れれば軽くて暖か柔らか。雷狼竜の帯電毛490z

前回 5-1話
http://kmnparty.way-nifty.com/manga/2013/05/mhp3rdki-men5-1.html

 「ぐあああああっっっ!!!」

ヲズマスの身体が宙を舞う。
予期せず遭遇したジンオウガに対し、あまりにもヲズマスの装備は貧弱であった。
愛用の片手剣こそ帯刀していたものの、手持ちの回復薬はなく、着の身、着のままの姿では、ジンオウガの繰り出す攻撃を受けきれる術はなかった。

アイルー台車に乗せられ、森の中から遠ざかるヲズマス。薄れいく意識の中でヲズマスは、ジンオウガのその巨体がゆっくりと、森の奥へと消えていくのを見つめていた。

OP

 「まさか本当に狼だったとはな」

集会所でヲズマスの報告を聞いた無限の毒は、驚きつつも落ち着いた声で答えた。

 「対峙したタイミングも悪かったが、遭遇した場所も良くなかったな」
 「と言うと?」
 「私たちは次に襲われるならこの北区だと想定していたが、孤島は北区のハンターたちが詰めるこの集会所から距離がある。仮にその狼に追撃され、アイルーから緊急の呼び出しがあったとしても、夜明けまでに私たちが駆けつけることは難しかったろう」
 「今回は運が良かったと」

ヲズマスは自分がやられたときの状況を思い出していた。
確かにあのままジンオウガの追撃を受けていれば、クエストの達成は困難だったろう。
横で話を聞いていた紅ノ牙が口を開く。

 「それにしてもおかしいですねぇ」
 「なにだが、紅の?」
 「その巨大な狼ですが、話を聞く限り動きも姿も、これまでに確認されているモンスターとはあまりにも異なります」
 「異なる?」
 「はい。異形と言いますか、あまりにも生物としては不自然のような」
 「確かにそれは思ったな。聞いた話を総合すると、あまりにも全身が刺々しいと言うか」
 「加えてそのモンスターの攻撃方法です。地上を4つ足で這うにもかかわらず、空中で回転したり、誘導弾を放ったり、これまでに対峙したモンスターには見られない攻撃です」

その毒と紅の会話にヲズマスが口を挟む。

 「待ってください。いくら夜半の孤島とはいえ、雷光虫にあれだけ照らされていれば見間違うなんてことはないですよ」
 「それもだ」
 「なにがです?」
 「まるで雷光虫を背中で飼っている、いや、何者かが意図的に雷光虫を集め、その狼に蓄電している様にも思える」
 「そんなバカな! 意図的に生み出された生物が何者かに操られているとでも?」
 「それはわからん。だが、各地の狼たちをひたすら狩り続け、計画されたように移動する行動が不自然なのは確かだ。あらゆる可能性は想定しておいたほうがいい」
 「はぁ…」

無限の毒の話が腑に落ちないヲズマスは、あいまいに返事をした。
会話に区切りがついたところを見計らい、紅ノ牙が口を挟んだ。

 「あ、そういえば、その狼の仮の呼び名が決まったそうですよ」
 「まあ、”モンスターの狼”と”ハンターの狼”では、いちいちややこしいからな」
 「なんて名前になったんです?」
 「村長曰く、迅雷の狼で”ジンオウガ”だそうです」
 「なるほど、ジンオウガか」

3人がそんな会話をしていたころ、樹海のさらに奥深くで不気味に微笑む黒い陰の姿があった。

 「ふふふ、私が完成させた人工生命体ジン・O(オ)は、順調に成果を挙げている。この分なら、ユクモ村の制圧までそう時間はかからないだろう」

誰もまだ、ジンオウガを陰で操る者がいることを知らない。そしてそれを知るまでには、まだしばしの時間が必要であった。

翌日、3人は早朝からジンオウガ討伐のために孤島に渡っていた。
状況から察するに、ジンオウガは内陸の森奥で寝ている可能性が高かったが、3人の必死の調査にも関わらず、何の痕跡を見つけることもできなかった。

そうして夜を迎え、3人は一旦キャンプ地へと戻り、今後の対策を話しあっていた。
肉汁のしたたるこんがり肉をほおばり、スタミナの回復に余念のない3人の耳に、ほぼ同時にモンスターの咆哮が届いた。

 「今の声です! 俺が聞いたのは!」
 「声の大きさからすると、そんなに遠くはないはずだ」
 「急ぎましょう」

3人は装備を整え、孤島の森の奥へと急いだ。咆哮が聞こえた状況から、3人で森奥の中央へ3方向から追い込む形になるように別々に行動する。

ヲズマスは2人と別れた後、雷光虫がある方角へ向けて集まるのを見つけた。ヲズマスは、武者震いを感じつつも、雷光虫を追いかけ走る。

そしてヲズマスは、ジンオウガと2度目の遭遇を迎える。

片手剣しか装備していなかった前回とは違い、全身をフル装備で固めたヲズマスは、ジンオウガに斬りかかる。巧みな前足の攻撃をかわし、突進を避けつつすれ違いざまに斬り付ける。

 「いける!」

動きを止めたジンオウガに深く踏み込み、斬り付けようとしたその瞬間、ジンオウガの全身が激しく光り輝いた。

大放電。

雷光虫より溜め込んだ電気を全身から一気に放出し、周囲にいる全てを感電させるジンオウガの奥義である。
勢いよく斬り込んだのが仇となり、回避距離を取る事が出来なかったヲズマスは、全身に激しい雷撃を受け、弾き飛ばされる。

ダウンするヲズマス。そこにジンオウガが追撃を仕掛けてくる。

 「くっ!」

盾でガードし身を固める。
しかし、数瞬後もジンオウガからの攻撃はこなかった。
ヲズマスが薄っすらと目を開けると、目の前には弓を持ち、怯むことなくジンオウガと対峙しているハンターの姿が映った。

 「あ、あなたはマッタロウ教官!」

そこにはかつてユクモ村に来る前、自分がハンターとして教えを受けた教官の姿があった。

 「教官、どうしてここに?」

驚きたずねるヲズマスに、教官と呼ばれるハンター・マッタロウは諭すように答えた。

 「ヲズマスよ、ハンターの国へ帰れ」
 「!?」

~続く~

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