「あの人なんで面白くないと評価したアニメのライブ見に行ってるんだろう」
ラブライブサンシャインの4thライブを観に行った僕が、東京ドームの前から送信したつぶやきである。
※ 長文(3,000文字超)注意のこと
16年3月にμ'sのファイナルライブを東京ドームで見届けた僕にとって、サンシャインのアニメ1期は、とにかくことあるごとにμ'sの連呼でイライラし、最終回のミュージカルと10番目の演出に怒りを覚え、2期はAqoursが全国優勝したものの、そこに至る努力の過程がほぼ皆無で説明不足、優勝の説得力も感じなかった。
Aqoursのライブ開催の情報は入ってくるものの、特に興味もなく、行く気は微塵も起きなかった。
アニメに良い印象を持っていないのだから、ライブに行こうと言う気にならないのは当然である。
それがいつだったか、外国人が訪日する番組を見ていた時のこと。
ラブライブサンシャインを見てAqoursが好きになり、静岡県沼津市まで来ていた外国の方がいらした。
「あれにハマって日本まで来るのか」
正直驚いた。
だがそれをきっかけにいろいろ調べていくと、ラブライブはサンシャインからハマった層がすでに一定数おり、さらにμ'sは知らない、見たことがないと言う人たちもわりといた。
μ'sのファイナルライブから2年ちょっとで、そこまで世間は動いているのかと、刻の流れの残酷さを感じるとともに、
「もしかして僕の見る目が無いのかも」
と言う気がだんだんしてきた。
だいたいにして、Aqoursの曲はわりと好きだし、アニメーションダンスPVは世界最高基準と思うし、そもそもアニメ2期のOPはそのスゴさに唖然として、本編を見る前に何回も見返したほどだ。
でも肝心のアニメ本編がなじめない。再放送もしていたが見る気は起きなかった。
そんな状態が続いていたが、今年6月のTBSテレビCDTV内での映像に衝撃を受ける。
「なんかすごいレベルの高いことをやってる…」
ラブライブシリーズ独特の、アニメーションと声優ユニットのシンクロダンスが、とてつもなく高いレベルに昇華されていた。
それを見た僕は、友人と酒を飲みながらこんな会話をした。
「こないだAqoursが生放送でライブしてたけどスゴかったよ」
「じゃあキミ、東京ドームに行けばいいじゃん」
ドーム? ビッグエッグ?
そうか、11月に東京ドームでライブがあるんだった。
でもどうせ高いBD買わないといけないんでしょ? 2日目は1,400円のCDに先行応募券ついてるんだ、1枚だけ買って応募してみるか、でもμ'sの時もファイナルは外したし、当たるわけないよなぁ。
なぜ当たる?
まあこうなった以上はしょうがない。
お金も払ってしまったし、行く覚悟を決めるしかない。しかしなんか乗り切れない。気持ちがノッてこない。
そんなとき、NHK-FMラジオの三昧シリーズで「今日は一日“ラブライブ!”三昧」が9時間生放送された。
http://www6.nhk.or.jp/anime/topics/detail.html?i=5134
μ'sの高坂穂乃果役の新田恵海さんと、Aqoursの高海千歌役の伊波杏樹さんがメインパーソナリティーを努め、さらにメンバーがゲスト出演して当時や今を語る、まさにラブライブ三昧な9時間。
えみつんとあんちゃんの関係や、Aqoursメンバーにドームへ向けての意気込みを聞きまくり、μ'sとAqoursのメンバー同士の交流もあり、僕自身は初めて聞くエピソードも多数で、面白くてしょうがなかった9時間の生放送。
何よりAqoursメンバーが、μ'sを心の底から尊敬してるのがラジオからビッシビシと伝わってきた。
えみつんとあんちゃんをはじめとしたAqoursメンバーとの会話が尊い。今風に言うとエモい。
この番組を聞きながら、僕は自身の中にある何かのわだかまりのような巨大な氷塊がなくなる感覚を覚えた。
正直ながら、それまでサンシャインとAqoursに持っていた勝手なイメージは、
ラブライブと言うすでに売れている作品に乗っかってる感じ。
「10人目のメンバー」や「みんなで叶える物語」と言う、μ'sコンセプトの流用または強奪。
だった。
しかしながら、ラブライブが売れてるから次も同じ名前で売れるだろう、と言う感覚でやっていたら、間違いなくサンシャインもAqoursも消えていた。ラブライブと言う名前に驕ることなくAqoursのメンバーは努力を積み重ね、無茶なことにも挑戦し続け、ファンの支持を得てきた。
多分、Aqoursの皆さんには「この程度でいいや」と言う感覚は無い。μ'sの東京ドームライブを現地で見届けた彼女たちは、そのスゴさを体感し、絶望とともにすべてをやりきる、出し切る覚悟を決めたのだと思う。
10人目のメンバーに関して、アニメのあの演出は本当に当時許しがたかったが、みんなで叶える物語と同様に、メンバーとファンが一体となって作り上げるストーリーが「ラブライブ」全体像の基本コンセプト、概念となるのであれば、それは強奪ではなく、むしろ「引き継がれる想い」であると解釈すべきなのだろう。
強引かもしれない。
都合のいい解釈かもしれない。
ライブはアニメが盛り上がってこそと言う僕自身の信念に反するかもしれない。
でも大事なことは、自分自身が納得できるかどうか、である。
少なくとも僕は、このラブライブ三昧を聞くことで、上記の考えに至った。
そして、Aqoursの東京ドームライブに向けてのスイッチが、この日完全に入った。
ただドームに身体が向かうだけではない。心も一緒にドームに向かうのだ。
それをひっぱりだしたのは、Aqoursの皆さんの日ごろの努力、鍛錬の賜物。
今までの活動が心に響いたからこそ、僕は東京ドームに向かうのだ。
ラブライブサンシャインの、Aqoursの基本コンセプトである「0から1へ」。
当初興味がなかった、0だったはずの僕が、1となって東京ドームに向かう。もしかしたらこれこそが、この物語のテーマに即した行動なのかもしれない。
※ ラブライブレードを構えるきめん(イメージ)
残念ながら、曲もコールも不完全な僕では、当日は完全に1になれていなかったかもしれないが、ものすごく、とんでもなく楽しくて、声出して、笑って、飛び跳ねた、素晴らしい、本当に素晴らしい東京ドームライブでした。
てか、こんな僕がさ、東京ドームのアリーナのだいたいこの辺りにいたのよ。
センターステージ目の前のフェンス横。
視界を遮るものが何もない状態。
1曲目はセンターステージから始まり、一番のお目当てだった「Awaken the power」もセンターだし、巨大なAqours Ship は目の前を通り過ぎて行ったよ。めっちゃ手を振ったよ。
人生でもう二度とこんな良席に当たることは無いだろう。
そりゃあ、テンション高まって、ライブ後も高揚感に浸りますわ。
仙台のファンミは行かないし、5thライブに行くかどうかも現時点では分からないけれども、この日の高揚感を胸に「1」になれるよう、まずは書き取りから始めます。
Aqoursの皆さん、4thライブ東京ドーム、素晴らしいステージをありがとうございました。
蛇足:
今年になってから目の視界が欠ける緑内障になったり、足底筋膜炎(そくていきんまくえん)と言う足底の内部に炎症を起こして歩くときに痛みがあったりと、体力の低下、肥満、運動不足以外に、徐々に身体機能が弱まっていくことに恐怖を感じましてね。
目が見えなくなる、耳が聞こえなくなる、物の味が分からなくなるとか、将来自分にそう言うことが起こるとか想像もしてなくて。
で、もしそうなったときに物事を楽しむことが出来なくなるよなーって。
だからちょっとでも楽しそうだと思ったことには、悔いを残さないように積極的に参加しようと思ったりして、それに後押しされたってのもあります。
白髪まじりのおっさんが、10代20代がお客さんの大半のライブにいるのは邪魔かもしれんが、まあそのうち行きたくても行けなくなるのでね。
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